「市販の縮毛矯正をやりたい」友人の気になる10の質問に美容師が答えた結果。
2023/03/17こんにちは!縮毛矯正が得意な美容院ENORE(エノア)です!
突然ですが、先日「市販の縮毛矯正をやりたい!」と友人から相談を受けまして、その時受けた10個の質問に美容師として伝えた「答え」を本日はご紹介していきたいと思います(^^)
今、実際に市販の縮毛矯正をやろうか考えている方も色んな疑問があると思いますので、参考になれば嬉しいです!是非ご覧ください!
【「市販の縮毛矯正をやりたい」友人 Aちゃんの髪の状態】
・ヘアカラーとカットを2ヶ月に1回(ブリーチなしだけどハイトーン)
・毛先にかなりダメージが見られ、うねりがより強く出てしまっている
・ゆるいウェーブのあるくせ毛。猫っ毛で広がりやすい。
・朝スタイリングしても午後にはウネウネしてしまう。
・クセは凄く気になるけど、縮毛矯正の経験は中学生の頃1回だけ。
(お時間がない方は目次の気になる項目をクリックすれば、読みたいところだけ読めますよ!)
目次
①市販の縮毛矯正ってどこでも売ってる?
「市販の縮毛矯正のお薬自体はどこでも売ってるよ!ドラックストアでも、通販でも手に入れられるよ!」
②市販の縮毛矯正でドラックストアやネットでおすすめの商品はある?
「うーん。おすすめランキングの評価が高かったとしても、それがAちゃんの髪に合うかどうかはまた別なんだ、、。市販の縮毛矯正の薬剤って基本的にどんな人のクセでも何となく髪が伸ばしやすくするために、かなり強い薬剤設定になっていて、さらに髪の状態や髪質に合わせて薬剤のコントロールが出来ないから『これがおすすめだよ!』って言えないんだ。ごめんよ(ToT)」
③綺麗に縮毛矯正するために、やり方にコツはある?
「縮毛矯正をするコツはあるよー!綺麗に縮毛矯正をするために一番大事なのは『お客さんの髪質や状態にしっかり合わせて縮毛矯正をする』事かな、、。
お客さんの髪をしっかり診断した上で
・薬剤設定と塗布量、浸透時間のコントロール
・必要があれば処理剤(栄養補給剤)を使って髪のベースコントロール
・髪を乾かしながら髪の中の水分量のコントロール
・ストレートアイロンの入れ方、圧力、当てる時間のコントロール
とか髪に合わせて色々調整する必要があるのが縮毛矯正の難しいポイントでもあるんだよね汗
でもこれがちゃんと出来て、さらに良い薬剤を使用していると「ダメージレスで自然な仕上がりに」縮毛矯正でも出来るよ!
ただ、これって難しすぎて美容師さんでも失敗することもあるし、市販の縮毛矯正を一般の人がやろうとするとかなり困難だと思う。」
④市販の縮毛矯正で成功するためのポイントは?
「もし市販の縮毛矯正をするなら『ちゃんと説明書き通りにやる』のが大切だよ!薬を置く時間とかは特に守ってほしい!時間を置けば置くほど髪が柔らかくなって、伸ばしやすくはなるけど、髪の栄養分がかなり流出して大ダメージで失敗したり、その時伸びたとしても次回の縮毛矯正で薬剤を洗い流す時、成分が髪に付いただけでチリチリになっちゃったりするから、、。大きな失敗をするリスクを抑えるためにやり方は守って欲しいな。」
⑤市販の縮毛矯正って何年くらい持つ?
「基本的に縮毛矯正ってしっかり縮毛矯正出来れば、半永久的にその部分はストレートなままだよ!でも、市販の縮毛矯正はダメージがある分1ヶ月とか2ヶ月とか時間が経つと髪の状態が悪くなってダメージによるうねりや広がりが出てきちゃう可能性が高いかな、、。それを考えると人それぞれ違うけど「綺麗な状態を保てる」期間は長くて数ヶ月くらいかも。」
「もちろん根元の地毛が伸びてきたら、根元部分を縮毛矯正したくはなると思うから縮毛矯正を続ける事が多いかな。早い人だと3ヶ月周期とか。」
⑥市販の縮毛矯正ってやっぱり失敗しやすい?何で?
「やっぱり薬剤によるダメージが強いのと、髪の状態に合わせてコントロール出来ないのが市販だと失敗しやすい大きな原因だと思う。
例えばさ。髪をかっぱ巻き(海苔→キューティクル、お米→脂質やタンパク質などの栄養成分、きゅうり→タンパク質の結合)に例えると
縮毛矯正の技術って、「海苔を剥がして浸透し、きゅうり部分を切って髪を真っ直ぐにして、また繋ぎ直して」髪を真っ直ぐにするのね。この時、市販の薬剤が強いものだと、海苔をバッリバリに剥がして浸透して、きゅうりをズッタズタに切っちゃうの。そうするとさ、元に戻そうとしても綺麗に戻らないでしょ。しかもご飯粒は外に散らばっちゃって、ぎゅうぎゅうに詰まってたお米がスッカスカになっちゃう。これが市販の縮毛矯正でダメージしてボロボロのになっちゃった髪のイメージかな、、。
特にきゅうりを切るのは、髪質によって適切な回数があるから、そこをコントロールしないとやばい、、。万が一きゅうり切りすぎたらカッパ巻き千切れちゃうじゃん。それが髪でも起こりうるんだよね、、。Aちゃんは髪色が結構ハイトーンで元々痛みやすい髪質だから、毛先とか特に失敗するリスクが高くなっちゃっていると思う、、。」
⑦失敗したら髪はどうなる?
「色んな失敗例があるけど、ダメージしすぎてチリチリな『ビビリ毛』」って言う状態になったり、1番最悪なのは『髪が千切れちゃう』事かな、、。
髪にダメージを与えただけで「クセが伸びなかった」って相談にお客さんが来ることもあるし、、。後は縮毛矯正でクセが伸びたとしても内部ダメージが酷くて、時間が経ったらチリチリになってきたり、次回縮毛矯正するときに影響やトラブルの元になる事がかなり多いから注意してほしい!
こんな事があるから、見た目に分かりやすいダメージより、私的に市販の縮毛矯正が1番怖い理由って『見えない大きなダメージ』を作ってしまう事だと思う。見えないから一般の人はダメージに気づかなくて、美容院で髪の状態的に出来ない施術があっても理解してもらうのに苦労する事もあるよ。」
⑧市販の縮毛矯正をして失敗したらどうすればいい?
「もし失敗したら、とりあえず早めに美容師さんに相談した方が良いよ!
髪の状態によって変わってくるけど
・ダメージ部分のカット
・トリートメントで一時的な補修と質感調整
・縮毛矯正をかけ直す
とか対応してくれると思う。でも、多分市販の縮毛矯正をしていると髪がかなりダメージしている事が考えられるから、縮毛矯正を掛け直すことは多分あまりないかな、、。ダメージが酷くなってチリチリになる確率がかなり高いから。
髪って1度ダメージするとお肌みたいに生まれ変わる事がなくて、どんどん蓄積されちゃうから。美容院での対応も残念ながら一時的な応急処置しか出来ないのね、、。だから出来れば最初からダメージさせないようにするのが大切。正直言ってやっぱり美容師の気持ちとしては、市販の縮毛矯正は出来れば避けて欲しいな、、。
市販の縮毛矯正すると髪の中身がどんなことになっているか予測しずらいし、修正するのが本当に大変だから、、。」
⑨前髪だけだったら失敗しにくいかな?
「確かに前髪だけなら市販でも良いかなって考える人多い!安く済むし、前髪だけで美容院行くのが面倒臭いしって、、。でも、実は前髪の髪って細くてダメージに弱くて凄く繊細なんだ、、。市販の縮毛矯正だとかなり痛んじゃうのが考えられるし、失敗しやすい箇所なの。だから、残念ながら前髪だけだから失敗しにくいって無いんだ、、。
それに市販の縮毛矯正で前髪がダメージしてチリチリになって、美容院に駆け込む人結構多くて、、。しかも根元からチリチリしちゃうとさ、、前髪って切るのに限度があるじゃん、、。だからどうしてもチリチリが残っちゃう、、。髪が伸びてきてチリチリ部分を切るまで、目立つ部分だしすっごく気になってストレスになっちゃうんだよね、、。
あと前髪だけの縮毛矯正は他の縮毛矯正していない部分との馴染みも大事だから、『自然な縮毛矯正』をするのがすっごく大切!綺麗に仕上げるためには技術力が必要だよ!」
⑩1回やったら続けたくなっちゃうよね?
「根元が伸びてくるだろうから、続けたくなっちゃうと思う。地毛と縮毛部分の境目がどうしても気になるからね。
もし、続けるのはな〜と思ったり、梅雨時期とか一時的に髪を楽にしたいだけなら『酸熱トリートメント』を美容院でやってもらうのもおすすめだよ。」
(↓酸熱トリートメントとは?)
Aちゃんの質問に答えた結果。
このようにAちゃんと色々お話をしましたが、その結果、Aちゃんは「根元:弱酸性縮毛矯正」「毛先:弱酸性酸熱トリートメント」をする事になりました!仕上がりはこちら↓
(弱酸性縮毛矯正と弱酸性酸熱トリートメントの同時施術についてはこちらの記事で詳しくご紹介中です!↓)
お客様からいただいた「市販の縮毛矯正」に関しての質問
ここまでAちゃんからの質問をご紹介させていただきましたが、他にもエノアにいらっしゃったお客様からも色々とご質問いただきましたのでご紹介いたしますね!
Q1「前髪の縮毛矯正だけなら市販でも大丈夫?」
「2年前に1回美容院で部分縮毛矯正をかけました。良い感じでクセが伸びたので、またやりたいのですが市販の縮毛矯正でも大丈夫でしょうか?前髪なら少しだし、クセも強くないし市販でもいけるかなと思うのですが。」
前髪だけと言っても、髪全体に縮毛矯正をかけるのとリスクは変わりません。そして実は市販の縮毛矯正をかける時に一番ダメージによる失敗をしやすいのが前髪だったりします。
前髪は他の部分の髪よりも細く、かなり繊細でダメージしやすい部分。そのため薬剤のパワーが強く、髪の状態によって薬剤の調合が出来ないためかなりの高確率で傷んでチリチリになってしまいます。
・前髪の内側がチリチリになってしまった
・クセが伸びなかったのに、時間が経ってバサバサになってきた
・伸びてないと思って縮毛矯正をかけ直したら市販の部分だけ髪が切れた
・髪が硬くなってしまい、さらに真っ直ぐになりすぎた
などさまざまなトラブルの原因になってしまいます。なので前髪だけだから市販は大丈夫という事はありません。綺麗に縮毛矯正をかけたいなら、美容院でお願いするのが一番成功率が高く、リスクも低いですよ!
Q2「メンズです。市販の薬剤でセルフ縮毛矯正をしたらクセが伸びませんでした。」
「メンズです。昨日市販の薬剤でセルフ縮毛矯正をしました。ですが全然ストレートにならず、髪が痛んだだけでした。時間も適当で薬剤をすぐに流してしまったのでそれが原因でしょうか?薬剤自体は余っているのでかけ直すことは出来るのですが、市販の薬剤自体効果がないのでしょうか?」
伸びなかった原因は薬剤の放置時間が短かった可能性はとても高いと思いますが、他にも「薬剤の塗布量が少なかった」など色々な原因が考えられます。市販の縮毛矯正が難しく、失敗してしまうリスクが高いのはこのように髪に合わせて適切な施術ができないのも大きな理由なんですね。
また薬剤は余っていても同じ部分にもう1度市販の縮毛矯正をかけるのは、かなり危ないです、、。さらに痛みチリチリになったり、髪がちぎれてしまったり、、。かなり危険ですので、もし今の状態をなんとかしたいとお考えでしたら、美容師さんに事情を話して状態を確認してもらい適切な処置をしてもらうのが一番です。1度市販の縮毛矯正をかけてしまっているので、同じ部分に縮毛矯正をかけるのは難しいですが他に髪を扱いやすく出来るようにアドバイスや対応をしてくれると思います!
Q3「何歳から市販の縮毛矯正はかけていい?」
「小学生の子供のくせ毛を真っ直ぐに伸ばしてあげたいです。市販の縮毛矯正は何歳からかけても良いですか?」
基本的に小学生からでも縮毛矯正は出来ます。ただ縮毛矯正は長時間椅子でじっと過ごす事の出来る年齢にならないとお子様自身もかなりストレスを感じてしまうので、美容院ではじっと座って過ごすことの出来る早くても「小学校高学年くらい」からスタートする子が多いです。
ただお子様は肌の皮膚も薄いですし、セルフで縮毛矯正をした時に薬剤塗布でミスして頭皮にべったりついてしまうとお肌トラブルに繋がりやすいです。またせっかくやったのに綺麗に伸びなかったり、失敗して髪がチリチリになってしまったらそれこそ可哀想ですので、美容院でお願いするのがやはりトラブルを防ぐために安心です。学生割引でお値段がお安くなる場合も多いので、是非美容師さんに相談してみてくださいね!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
美容師としては市販の縮毛矯正のリスクを身に染みて分かっているので「リスク面をしっかり伝えたいと思いつつも、市販だと安いし家ですぐに出来るしという事で忙しいAちゃんの気持ちも分かる!」そんな気持ちでAちゃんと話をしていました。
その結果Aちゃんは「美容院での縮毛矯正」を選んでくれました。
この記事を読んでいる方の中にはAちゃんの様に「市販で縮毛矯正」をやろうかどうか悩んでいる方がたくさんいらっしゃると思います。美容師の立場で言うと髪の見た目だけではなく、内側の綺麗のために「市販の縮毛矯正はやらないで欲しい」です。
でも皆さんそれぞれ事情や価値観。縮毛矯正で重視するポイントは違いますから、
「仕上がり」
「髪を傷ませない事」
「費用面」
「時間」
などの中から「自分はどれを一番優先したいのか?」よーく考えた上で判断していただければな。と思います!
(↓こちらで「美容師さんが市販の縮毛矯正を止める理由」について赤裸々に書いています。参考に是非ご覧ください)
最後までご覧いただきありがとうございました。
何か疑問などありましたら、お気軽にご相談くださいね!